健康

新型コロナウイルス(COVID-19)とは?今更だけどウイルスって何?アルコール消毒は有効なの?

2020年2月14日

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ウイルスとは

大きさ

皆さんがよく耳にする乳酸菌や大腸菌などの細菌は、一般的な顕微鏡(光学顕微鏡)で観察できる微生物ですが、ウイルスは一般的な顕微鏡で観察することが出来ない大変小さな微生物です。

構造

構造はとても簡単で、基本的には核酸(DNAまたはRNA:自らの設計図)と、これを包む蛋白の殻(カプシド)よりなります。さらに、ウイルスの種類により脂質の膜(エンベロープ)に包まれています。まるで遺伝情報を持つカプセルです。

成長・増殖

彼らは細菌と違い、自分で食事をして栄養分を吸収して成長(代謝)したり、増えたりすることは出来ません。自力で成長、増殖できない下等な彼らは、生きた細胞内(人間や動物、植物、細菌などの細胞)に感染して増殖を行います。

細胞への侵入

感染した細胞から放出される完全なウイルス粒子(ビリオン)が細胞表面(受容体:レセプター)に結合することで細胞内に侵入します。

増殖

細胞内に侵入したウイルスは、蛋白の殻(カプシド)の中にある核酸(DNAまたはRNA:自らの設計図)を放出(脱殻)して、細胞がもつ、細胞増殖に用いる設備を利用して、放出した核酸(DNAまたはRNA:自らの設計図)情報をもとに、蛋白質と核酸をコピーして増やしていきます。それを組み立てることで彼らは増殖していきます。

感染

増殖して生まれた新しい完全なウイルス粒子(ビリオン)は、細胞が破壊された後に、次の細胞へと感染していきます。

感染された細胞はどうなるの?

感染された細胞は、細胞増殖に用いる設備をウイルスに利用されているため、正常に増殖できなくなります。そのため、感染細胞は壊れたり、設計図通りに作られない細胞(がん細胞など)が増殖することで、細胞で構成される臓器・体の機能が損なわれていくのです。

コロナウイルスとは

名前の由来

直径120~160 nmの球形ウイルスで、脂質の膜(エンベロープ)の表面にスパイク(糖蛋白のトゲトゲ)が並んでいることが太陽のコロナの様に見えることが名前の由来となっています。

症状

一般的には冬季の風邪の主な原因ウイルスであり、実はとても身近なウイルスなのです。軽い鼻かぜ、咽頭炎などの症状がみられます。

SARSとMRASについて

参考元:NIID 国立感染症研究所

SARS

2002年に中国広東省で発生し、感染及び疑いは8,069人に及び、775人が重症の肺炎で死亡、致死率は9.6%に及びました。もともとコウモリに感染していたコロナウイルスが人に感染したと考えられています。死亡した人の多くは高齢者であり、心臓病や糖尿病などの基礎疾患があったようで、子どもにはほとんど感染せず、軽傷であったとされます。

MERS

2012年にサウジアラビアで発見され、27か国で2494人の感染が報告されました。858人が死亡、致死率は34.4%に及びました。もともとヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスであるものが、人に感染することで、重症肺炎を引き起こしたと考えられています。SARS同様、高齢者や基礎疾患をもつ人が重症化し、15歳以下の感染者は全体の2%程度で、軽症か、症状がない不顕性感染であったと言われています。

新型コロナウイルス(COVID-19)

参考元:NIID 国立感染症研究所

感染報告

2020年1月3日に中国湖北省武漢市において報告されました。

症状

発熱、肺炎、咳、関節痛、咽頭通などの報告があります。SARSやMERS同様に高齢者を中心に重症化し、中国を中心に1000人以上の人々が死亡しています。

潜伏期間

現時点の潜伏期間は1~12.5日と言われており、感染者は14日間の健康状態の観察が必要と言われています。

感染経路

現時点で主な感染伝搬は咳やくしゃみによると言われています。また、無症状の感染者からの感染が報告されますが、主要な感染ではないとされています。

感染対策

マスクの着用、咳エチケット、手指衛星など基本的な感染対策で予防を務めることが重要だと言われています。街中へ出かける場合は、鼻を覆うように正しくマスクを着用し、外出後はしっかりと手洗い、アルコール消毒剤による手指消毒を行いましょう。手洗い時には、すぐに使い捨て可能なペーパータオルの使用をお勧めします。医療従事者でも手指衛生が不十分なために院内感染を引き起こすなかで、一般の方が布性のタオルを使いまわしては感染が拡大するリスクが増大すると考えられるからです。

医療機関において、診察室や入院病床は十分換気することが対策とされているため、感染者と疑われる患者がいる空間においては、定期的な換気を行うことがよいと考えられます。

アルコール消毒が効くウイルスと効かないウイルスの違い

ウイルスのなかにもアルコール消毒が有効なものと、そうでないものがいます。その違いは脂質の膜(エンベロープ)の有無により決まります。脂質の膜(エンベロープ)をもつウイルスにアルコール消毒剤を使用すると、脂質の膜を破壊し、完全なウイルス粒子(ビリオン)が破壊することができます。これによりウイルスにダメージを与えることが可能となるのです。しかし、脂質の膜(エンベロープ)をもたないウイルスにはアルコールは有効でないと言われており、ノロウイルスなどが有名です。しかし、飲食店においては「ノロウイルス流行中のため手指消毒をお願いします。」と書かれた立札の下にアルコール消毒が設置されており、まだまだ誤解が多いのが実情のようです。

新型コロナウイルス(COVID-19)にはアルコールは有効か

新型であってもコロナウイルスのため、構造に脂質の膜(エンベロープ)を持ちます。そのため、アルコール消毒は有効であると考えられます。しかし、そもそも手が汚れていたりするとアルコールの殺菌作用が十分に発揮されないこともあるため、必ず水洗手洗いを行った後に、アルコール消毒を行うことが大切です。

『参考文献:2010年3月10日 第3版第1版発行.岡田 淳ら.医歯薬出版株式会社.臨床検査講座 微生物学/臨床微生物学 第3版 P312-P339』

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